介護福祉士とは

介護福祉士は、介護が必要な高齢者や障がいのある人の生活を支える国家資格です。介護保険制度が施行されたことで資格の重要性が増し、介護福祉士法に基づき専門的な知識と技能を持って利用者や家族を支援する役割が定められています。山口県のFAQでは、介護福祉士は知識と技術に基づいて身体・精神の障がいに応じた介護を行い、家族への介護指導を行う職種であると説明しています。介護福祉士になるためには国家試験に合格し、介護福祉士登録簿に登録することが必要です。なお、資格がなくても施設で働くことは可能ですが、キャリアアップや待遇面で有利になるため、取得を目指す人が増えています。
※介護福祉士になるには?(山口県)「https://faq.pref.yamaguchi.lg.jp/faq/detail.aspx?id=533」
資格取得のルート

介護福祉士になるには、次の3つのルートがあります。いずれも国家試験に合格することが条件ですが、ルートによって受験資格が異なります。
1. 福祉系高校ルート
- 福祉系高校の介護福祉士養成課程(3年間)を修了し国家試験に合格する方法です。
- 高校在学中から介護の基礎を学べるので、10代で資格取得を目指す人に向いています。
2. 養成施設ルート
- 専門学校や短大・大学などの介護福祉士養成施設に2年以上通い、必要な単位を修得した後に国家試験に挑む方法です。
- 現在は養成施設を卒業するだけで登録できる経過措置がありますが、2027年度からは養成施設卒業後も国家試験合格が必須となる予定で、2017〜2026年度は移行期間です。
- 山口県内にはYIC看護福祉専門学校や下関福祉専門学校、周南公立大学などの養成校があり、2年制や4年制などコースが選べます。
3. 実務経験ルート
- 介護施設や訪問介護などで3年以上の実務経験を積み、実務者研修(450時間以上、6か月以上の研修)を修了して国家試験に挑む方法です。
- 2016年度からは実務経験だけでなく450時間以上の研修を受講することが必須となり、研修は昼間・夜間・通信など多様な形態があります。
- 働きながら資格取得を目指す社会人や、子育て後に復職を考える人に人気です。
山口県内の養成校
山口県には介護福祉士を養成する学校が複数あり、県内外からの学生を受け入れています。主な学校と特徴を以下にまとめます。
養成施設 | 所在地とコース概要 |
---|---|
YIC看護福祉専門学校 | 防府市にあり、介護福祉学科(2年制)や社会福祉科(通信課程)などを開講。実習施設が豊富で、学費サポートやアフターケアも充実。社会人の入学も積極的に受け入れています。 |
下関福祉専門学校 | 下関市にある歴史ある養成校で、専門学校2年課程と通信課程を実施。学校法人下関学院が運営し、地元施設との連携が強い。 |
東亜大学 | 下関市にある私立大学で、医療学部・医療工学科内に「医療福祉コース」を設け、介護福祉士を育成する4年制の養成施設として認定されています。 |
いずれもオープンキャンパスを開催し、学費の奨学金や県の修学資金貸付制度を利用することができます。
働きながら資格を取る方法

「今の仕事を続けながら資格を取りたい」という人には、実務経験ルートが適しています。このルートでは介護施設や事業所で実務を積みながら、実務者研修を受けて受験資格を得ます。山口県福祉人材センターなどでは、無資格者が介護業界へ入るための介護入門研修(4日間・21時間)を無料で提供し、修了後に就職先の紹介を行っています。また、自治体が行う資格取得支援制度や、介護職員初任者研修費用を助成する制度もあります。
研修は昼間・夜間・通信制など様々な形態があるため、働く時間に合わせて受講しやすいのが特徴です。実務経験と研修を同時に進められるため、仕事と学びの両立がしやすく、スキルアップしながらキャリアを築けます。
まとめ
- 介護福祉士は国家資格で、介護の専門知識と技能を身に付け利用者と家族を支援する仕事です。
- 資格取得には、福祉系高校ルート・養成施設ルート・実務経験ルートの3つがあり、いずれも国家試験合格が必要です。実務経験ルートでは3年以上の実務と450時間以上の研修が必須となります。
- 山口県内には養成施設が複数あり、専門学校・短大・大学など多様な選択肢があります。オープンキャンパスや学費サポートも活用しましょう。
- 働きながら資格を取る場合は実務者研修を受けるのが一般的で、県の介護入門研修や資格取得支援制度を活用できます。
介護福祉士は学びと経験が必要な仕事ですが、需要が高くやりがいのある職業です。山口県では高齢化の進行に伴い介護人材を求める施設が増えています。自分に合ったルートで学び、地域の支え手として活躍しましょう。