古い実家・築古空き家でも売れる?売れにくい理由と売却方法

古い実家や築年数の経った空き家でも、築年数だけを理由に「売れない」と判断することはできません。
売却条件は建物の古さだけでなく、
- 建物の状態
- 土地や立地
- 接道状況
- 権利関係
- 地域の需要
- 買主が建物を利用するか土地を利用するか
などによって変わるからです。
そのため、
古いからリフォームしてから売ろう
荷物を全部捨ててから相談しよう
築50年以上だから先に解体しよう
と決める必要はありません。
まずは今の状態でどのような売却方法が考えられるのか確認し、その結果を見て必要な対応だけを選ぶ方が判断しやすくなります。
国土交通省も、空き家について「住宅のまま売却する」という活用方法のほか、インスペクションや空き家バンクなどの選択肢を案内しています。
情報確認日:2026年8月16日
古い実家・築古空き家でも売れる可能性はある
「築40年」「築50年」「築60年」と聞くと、建物にはもう価値がなく、売るのは難しいと思うかもしれません。
しかし、築年数だけで売却できるかどうかは決まりません。
例えば、建物を修繕して利用したい人がいる場合もあれば、建物より土地を目的として購入を検討する人もいます。
国土交通省も空き家対策として、解体だけでなく住宅のまま売却して活用する方法を案内しています。
建物だけでなく土地も含めて判断する
古い実家では、建物そのものだけを見て、
『 こんな家は売れないだろう 』
と考えないことが大切です。
土地の広さや形、道路との接し方、周辺環境なども売却条件に関係します。
反対に、建物が比較的新しくても、接道や権利関係など別の条件によって売却方法を検討する必要があるケースもあります。
つまり、
「築古だから売れにくい」のか、別の条件が影響しているのか
を切り分ける必要があります。
「古いから解体」と先に決めなくていい
古い実家を見ると、
建物を壊して土地だけにした方が売れるのでは?
と考えることがあります。
しかし、まだ現在の状態で売却できるか確認していないなら、解体を先に決める必要はありません。
一度解体すると建物は元に戻せず、解体費用も発生します。
まず、
建物付きで売る場合
↓
解体して土地として売る場合
の条件を比較してから決めましょう。
詳しくは、
で、固定資産税や解体費、補助制度も含めて整理しています。
古い実家が売れにくくなる主な理由
築年数だけでは判断できませんが、古い実家には売却時に確認したい条件があります。
建物の劣化が進んでいる
長期間空き家になっている家では、維持管理や経年によって建物の状態が変化している可能性があります。
国土交通省も、空き家は放置期間が長くなるほど老朽化や損傷が進み、売買・賃貸が難しくなる可能性があると案内しています。
例えば、
- 雨漏り
- 腐食
- 傾き
- 設備の劣化
などがあれば、買主が修繕費も考えて検討することになります。
ただし、状態を確認する前から売主が修繕すると決める必要はありません。
購入後に修繕が必要になる
中古住宅として使用する場合、買主側でリフォームや修繕を検討することがあります。
そのため売主としては、
リフォームしてきれいにすれば高く売れるはず
と先に工事するより、
現在の状態で売った場合と、工事した場合の条件を比較する
方が判断しやすくなります。
工事費をかけた分だけ売却価格が上がるとは限らないためです。
地域の需要が限られている
建物の状態だけでなく、物件がある地域で購入希望者を見つけられるかも関係します。
都市部と地方、駅や生活施設への距離などによって条件は異なるため、
「築50年だから売れない」のか「地域の需要が限られている」のか
を分けて考えましょう。
地方の物件では、通常の不動産会社への相談に加えて、後述する自治体の空き家バンクも選択肢になります。国土交通省も、空き家を売りたい・貸したい場合の方法として空き家バンクを案内しています。
土地・接道・権利関係など別の条件がある
古い家の売却では、
- 道路との接し方
- 土地の境界
- 共有状態
- 借地権
- 再建築に関する条件
など、建物の築年数とは別の問題が関係することがあります。
この場合、
築60年だから売れない
と考えると、本当の原因を見落としてしまいます。
特殊な権利関係や再建築に関する問題がある場合は、通常の築古住宅とは分けて売却方法を確認しましょう。
家財が大量に残っている
相続した実家では、家具や家電、衣類などがそのまま残っていることがあります。
ただし、
売却相談をする前に必ず全部処分しなければならない
と一律には言えません。
必要な片付け範囲は物件や売却方法、相手方によって異なります。
まず相談し、
『 どこまで片付けておく必要がありますか? 』
と確認してから処分する方法もあります。
古い実家を売る前に、まず今の状態を確認する
いきなり売却方法を一つに決めるより、最初に現在の状態を整理します。
建物の築年数・状態を確認する
分かる範囲で、
- 建築時期
- 空き家になった時期
- 雨漏りなどの不具合
- 過去のリフォーム・修繕
- 建物に残っている家財
を整理します。
すべて自分で専門的に判断する必要はありません。
不動産会社へ状況を説明できる程度に把握することが目的です。
土地・登記なども確認する
建物だけでなく、
- 現在の名義
- 土地の状況
- 境界に関する資料
- 道路との関係
など、手元にある資料を確認します。
相続した実家であれば、売却前に相続登記の状況なども確認が必要です。
山口県で相続した実家の売却を考えている方は、
で、売却前の確認事項を順番に整理しています。
古い実家を売る主な方法
築古住宅では、一つの方法だけでなく複数を比較してみましょう。
| 売却方法 | 向いている可能性があるケース | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 仲介 | 一般の購入希望者を探したい | 売却条件・販売方法 |
| 買取 | 買取会社の条件も確認したい | 査定条件・価格・引渡し条件 |
| 古家付き土地として売る | 建物より土地を中心に検討してもらいたい | 建物の扱い・契約条件 |
| 空き家バンク | 地域の空き家を探している人にも届けたい | 自治体の登録条件 |
| 解体して土地を売る | 解体する合理性が確認できている | 解体費・税金・補助制度 |
どの方法が一番よいかは物件によって異なります。
仲介で売る方法
仲介では、不動産会社と媒介契約を結び、買主を探してもらいます。国土交通省も、不動産の売買で仲介を依頼する際の媒介契約について案内しています。
古い実家でも、
- 建物を利用したい人がいそう
- 土地として検討される可能性がある
- 時間をかけて買主を探せる
といった場合には、仲介で売却条件を確認する方法があります。
ただし、売却できる時期や条件は物件ごとに異なります。
買取も比較した方がいいケース
不動産会社などが買主となる買取について条件を確認する方法もあります。
例えば、
- 築年数が古く一般の買主が見つかるか不安
- 現在の状態での買取条件を知りたい
- 仲介だけでなく別の方法も比較したい
という場合です。
この段階で重要なのは、
「仲介か買取のどちらかが絶対に正解」と決めないことです。
それぞれの条件を確認し、
自分は価格を優先するのか
売却までの進め方を優先するのか
現状での売却を重視するのか
を整理します。
古家付き土地として売る方法
古い建物を残したまま、土地を中心に検討してもらう方法もあります。
この場合も、
建物はどう扱うのか
解体する場合は誰が負担するのか
などを契約前に確認する必要があります。
「古家付き土地として出せば必ず売れる」というものではありませんが、売主が売却前に解体費を負担せずに検討できる選択肢の一つです。
売る前にリフォームした方がいい?
古い実家を見て、
『 このままでは印象が悪いから、先にリフォームした方がいいのでは? 』
と考えるかもしれません。
しかし、売却条件を確認する前から大規模なリフォームを決める必要はありません。
買主自身が、
- 好みの内装にしたい
- 必要な部分だけ修繕したい
- 建物を解体したい
と考えている可能性もあるからです。
まず現状での売却条件を確認し、そのうえで必要な工事があるか判断しましょう。
建物状況調査(インスペクション)を利用する方法もある
中古住宅として建物を売却したい場合には、建物状況調査(インスペクション)も選択肢です。
国土交通省によると、宅建業法上の建物状況調査は、講習を修了した建築士が一定の基準に基づいて既存住宅の状況を調査する制度です。国土交通省は、売却後のトラブル回避や購入者の安心、修繕・リフォームの必要性を検討する際の参考になると案内しています。
ただし、
築古住宅なら必ずインスペクションを実施すべき
という意味ではありません。
建物を中古住宅として売る方向になった場合に、不動産会社などへ必要性を相談すれば十分です。
家財は全部片付けてから売る?
実家に大量の荷物が残っている場合でも、
まず売却相談
→ 必要な片付け範囲を確認
→ 必要な分を処分
という順番があります。
先にすべて処分した後で、
『 そこまで片付ける必要はなかった 』
となることは避けたいところです。
一方で、売却とは別に「実家じまい」そのものを進めたい場合には、片付けを先に行う選択肢もあります。
古い家は解体した方が売れやすい?
解体すれば必ず売れやすくなるとは言えません。
国土交通省も、空き家について「住宅のまま売却して活用する方法」と「解体して跡地を活用する方法」の両方を案内しています。
売却目的で解体するなら、
- 現状で売った場合
- 解体後に売った場合
- 解体にかかる費用
- 固定資産税などへの影響
- 自治体の補助制度
を比較してから決めましょう。
詳しくは、
で解説しています。
地方の古い実家なら空き家バンクも確認する
地方の空き家では、自治体が運営する空き家バンクも選択肢になります。
国土交通省によると、空き家バンクは自治体等が空き家・空き地の情報をWebサイトなどで利活用希望者へ紹介する取り組みです。また、国土交通省の空き家対策サイトでは、不動産会社への相談だけでなく空き家バンクへ登録する方法も案内しています。
ただし、
- 登録できる物件
- 登録手続き
- 不動産会社との関わり
- 売買までの進め方
は自治体によって異なります。
利用する場合は、実家所在地の自治体へ確認してください。
山口県では市町の空き家バンクを確認できる
- 市町の空き家バンク
- 全国版空き家・空き地バンク
- 空き家相談窓口
- 空き家の利活用
- インスペクション
などへの案内がまとめられています。山口県のポータルは2026年5月20日時点で更新されています。
山口県にある古い実家で、
一般の不動産売却だけでなく地域の制度も確認したい
という場合には、実家所在地の市町と空き家バンクを確認してみましょう。
なお、すでに不動産会社と媒介契約を結んでいる場合などは、空き家バンクとの併用可否や契約条件を自治体・不動産会社へ確認してください。
相続した古い実家なら税制も売却前に確認する
古い実家を相続した場合は、売却前に税制も確認しておきましょう。
一定の要件を満たす「被相続人の居住用財産」を売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。
現行制度では2027年12月31日までの一定の譲渡が対象で、2024年1月1日以後の譲渡について対象不動産を取得した相続人が3人以上の場合は、控除額が最高2,000万円になります。
ただし、この制度は相続した古い家なら誰でも使えるものではありません。
国税庁は対象となる家屋について、原則として1981年5月31日以前に建築されたことなど、複数の要件を定めています。売却時期や売却価格などにも条件があります。
該当する可能性がある場合は、売買や解体を進める前に最新条件を確認し、個別の適用については税務署や税理士へ確認してください。
古い実家が売れるか分からないときは、この順番で考える
選択肢が多くて分からなくなったら、次の順番で整理してください。
① 今の状態で売却相談をした?
NO
→ リフォーム・片付け・解体の前に、まず現状で考えられる売却方法を確認する。
YES
→ ②へ。
② 仲介で買主を探す方法は検討できそう?
YES
→ 売却条件や販売方法を確認して仲介を検討。
難しそう/別の方法も比較したい
→ ③へ。
③ 買取ではどのような条件になる?
→ 買取を扱う不動産会社等にも条件を確認し、仲介の場合と比較する。
条件が合わない場合は④へ。
④ 建物より土地を中心に売る方法は?
→ 古家付き土地や解体後の売却を比較する。
解体するか迷う場合は、先に現状売却と解体後の条件を比較します。
⑤ 地域の購入需要が限られそう?
→ 実家所在地の空き家バンクも確認する。
この順番なら、
古い
↓
リフォーム
↓
片付け
↓
解体
と、先に費用をかけてしまうことを避けやすくなります。
古い実家・築古空き家の売却でよくある質問
築50年・築60年でも売れる?
築年数だけでは売れる・売れないを判断できません。
建物の状態、土地、立地、接道、権利関係、地域の需要などを含めて確認します。
「築50年以上だから解体する」と先に決めず、現在の状態で考えられる売却方法を確認してください。
ボロボロの家でも売却相談できる?
建物の状態が悪い場合でも、土地を含めてどのような売却方法が考えられるか確認することはできます。
ただし、対応できる物件や条件は不動産会社によって異なるため、家の状態をできるだけ正確に伝えて相談してください。
田舎の古い実家でも売れる?
「田舎だから売れない」と一律には判断できません。
一方、地域によって購入需要が異なるため、通常の不動産売却に加えて自治体の空き家バンクを確認する方法もあります。国土交通省も空き家の売却・賃貸手段として空き家バンクを案内しています。
荷物が残っていても売却相談できる?
相談前にすべて処分する必要があるかは、物件や売却方法によって異なります。
まず家財が残っていることを伝え、どの程度の片付けが必要か確認してください。
リフォームと解体、どちらを先にすればいい?
どちらも、売却可能性を確認する前に決めなくて大丈夫です。
まず現状での売却条件を確認し、
- 建物を利用する売却
- 修繕して売る
- 古家付き土地として売る
- 解体して売る
などを比較します。
仲介と買取はどちらがいい?
どちらが一律に優れているとは言えません。
一般の買主を探す方法も検討したいなら仲介、買取会社が提示する条件も確認したいなら買取を比較する方法があります。
片方だけを見て決めず、自分が重視する条件に合わせて判断してください。
まとめ|古いからお金をかけるのではなく、まず現状での売却方法を確認する
古い実家や築古空き家だからといって、最初から売れないと決める必要はありません。
状況別に整理すると次のとおりです。
| 自分の状況 | 次にすること |
|---|---|
| 築年数だけで売れないと思っている | 現状での売却可能性を確認 |
| 建物を利用できそう | 仲介などを検討 |
| 一般の買主が見つかるか不安 | 買取も比較 |
| 土地を中心に売りたい | 古家付き土地・解体後を比較 |
| 地方で需要が限られそう | 空き家バンクも確認 |
| 解体するか迷っている | 現状売却と解体後を比較 |
| 家財が大量に残っている | 必要な片付け範囲を先に確認 |
大切なのは、
「古いから何かしなければ売れない」と思って、先にお金をかけないことです。
まず今の状態で、
どのような売却方法が考えられるのか
を確認します。
そのうえで必要なら、
仲介・買取・片付け・リフォーム・解体・空き家バンク
を比較してください。
山口県で相続した実家を具体的に売る方向で考えている方は、次の記事から確認できます。
参考・確認した公式情報
- 国土交通省|空き家を売る・貸す際に活用できる制度
空き家の売却、インスペクション、空き家バンク等を確認。 - 国土交通省|空き家になったら早めの行動を
住宅のまま売却する方法、解体・利活用などを確認。 - 国土交通省|インスペクション(既存住宅の点検・調査)
建物状況調査の制度・調査者・売買時の取り扱いを確認。 - 国土交通省|空き家・空き地バンクについて
空き家バンクの仕組みを確認。 - 山口県|山口県空き家ポータルサイト
市町の空き家バンク、相談窓口、利活用、インスペクション等を確認。 - 国税庁|被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
3,000万円特別控除の対象・期間・要件等を確認。 - 国土交通省|不動産取引に関するお知らせ
不動産売却時の媒介契約について確認。
情報確認日:2026年8月16日
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