実家じまいは何から始める?迷わないための進め方と順番

実家じまいを始めるとき、最初から家の中を全部片付ける必要はありません。
まず確認したいのは、
- 実家の所有者・相続関係
- 今後その家を誰かが使う予定
- 売る・貸す・残すなどの方向性
- 残しておく重要書類や貴重品
- 誰がいつまでに進めるか
です。
そのうえで、
実家をどうするか確認
→ 必要な片付け範囲を決める
→ 売却・管理・解体などを進める
という順番にすると、必要のない処分や工事に先に費用をかけることを避けやすくなります。
「親の物が多すぎて何から手をつければよいか分からない」「遠方なので何度も帰れない」という方も、すべてを一度に終わらせる必要はありません。
この記事では、実家じまいを進める順番と、それぞれの段階で確認したいことを整理します。
情報確認日:2026年8月28日
実家じまいは「片付け」から始めなくていい
実家じまいというと、
家具を捨てる
衣類を整理する
不用品回収を頼む
といった「片付け」を最初に想像するかもしれません。
しかし、実家を最終的に売るのか、残すのか、貸すのかによって、必要な片付けの範囲は変わります。
例えば、売却を考えているのに、
家財を全部処分
→ 大きな費用が発生
→ その後に初めて売却相談
と進めるより、
実家をどうするか整理
→ 売却するなら現在の状態で相談
→ どこまで片付ける必要があるか確認
→ 必要な範囲だけ片付ける
という順番もあります。
実家じまいは、単に「家を空っぽにする作業」ではありません。
家・土地・家財を今後どうするか決め、そのために必要な作業を順番に進めることと考えると整理しやすくなります。
実家じまいで最初に確認する5つのこと
1.実家の所有者・相続人は誰か
親が亡くなった後の実家なら、まず現在の名義や相続関係を確認します。
特に、
- 親名義のまま
- 兄弟姉妹など複数の相続人がいる
- 誰が実家を相続するかまだ決まっていない
といった場合は、自分一人だけで売却などを進められないことがあります。
また、相続登記は2024年4月1日から義務化されています。不動産を相続で取得したことを知った日から原則3年以内に申請する必要があり、義務化前に発生した相続も対象です。正当な理由なく義務を怠った場合は10万円以下の過料の対象になる可能性があります。
実家じまいの片付けと並行して、現在の登記名義も一度確認しておきましょう。
個別の相続関係や登記方法が分からない場合は、法務局や司法書士等へ確認してください。
2.重要書類や遺言書などが残っていないか
家財を大量に処分する前に、重要なものを先に確保します。
例えば、
- 不動産に関する書類
- 預貯金や保険に関する書類
- 遺言書
- 印鑑
- 鍵
- 契約書
- 通帳等
- 貴重品
- 家族が残したい写真や思い出の品
などです。
古い実家では、書類が押し入れや机、棚など複数の場所に分かれていることがあります。
最初は「何を捨てるか」ではなく、 「 捨ててはいけない物を確保する 」 ことを優先してください。
3.今後その実家を使う人がいるか
家族の誰かが今後住む予定があるなら、実家じまいの内容も変わります。
確認したいのは、
いつか使うかもしれない
ではなく、
- 誰が使うのか
- いつから使うのか
- それまで誰が管理するのか
まで具体的になっているかです。
誰も住む予定がない場合には、
売る
貸す
残して管理する
建物を解体して土地を売る・活用する
などを比較します。
まだ方向性が決まっていない方は、
「相続した実家に住まない場合どうする?売る・貸す・残す・解体の判断基準」
から確認すると整理しやすくなります。
4.誰が実家じまいを進めるか
兄弟姉妹など複数の家族が関係する場合は、
- 現地へ行く人
- 書類を確認する人
- 不動産会社等と連絡する人
- 家財整理を担当する人
- 費用を確認する人
などを決めておくと進めやすくなります。
一人ですべて抱える必要はありません。
特に遠方に住んでいる家族が複数いる場合は、連絡窓口になる人を一人決めるだけでも情報が混乱しにくくなります。
5.いつまでに方向性を決めるか
実家への思い入れがあり、すぐに売却などを決められないこともあります。
その場合、
今すぐ決められないから、しばらく残す
という選択肢もあります。
ただし、
半年後
1年後
など、もう一度考える時期を決めておくことをおすすめします。
期限を決めないと、
いつか片付けよう
いつか売ろう
という状態のまま何年も経つことがあります。
実家を今後どうするか決める
実家じまいの作業量は、最終的に家をどうするかによって大きく変わります。
| 選択肢 | 向いている可能性がある状況 | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 売る | 誰も住まず、管理を続けたくない | 現在の売却可能性 |
| 貸す | 賃貸需要があり収支が見込める | 家賃・修繕・管理 |
| 残す | 将来使う予定が具体的 | 管理方法・維持費 |
| 解体して土地利用 | 建物利用が難しい | 現状売却との比較・解体費 |
ここで大切なのは、片付けを全部終えてから決める必要はないことです。
むしろ方向性を先に整理すると、
売却に必要な範囲だけ片付ける
貸すために必要な修繕をする
残すので定期管理を続ける
と、やることを絞れます。
片付けを始める前に「残す物」を確保する
実家の方向性を考えながら、家財整理も少しずつ始めます。
まず次の3つに分類すると進めやすくなります。
必ず残す
重要書類、鍵、印鑑、貴重品など。
家族に確認する
写真、思い出の品、価値が分からない物、家族それぞれの私物など。
処分候補
明らかに不要と判断できる日用品など。
「いる・いらない」を一つずつ長時間考えるより、
迷う物はいったん「確認」に回す
方が作業を止めずに進められます。
実家を売りたいものの家具や家電が大量に残っている方は、
「相続した実家に荷物が残っていても売れる?片付けはいつする?」
で、売却相談と家財整理の順番を詳しく整理しています。
実家を売るなら、全部片付ける前に売却方法を確認する
「誰も住まないので売る」と決まった場合も、片付けを全部終わらせてから不動産会社へ行く必要があるとは限りません。
まず、
家財が残っていることを伝えたうえで、今の状態ではどのような売却方法が考えられるか
を確認します。
現在の状態で売れる可能性を確認する
築年数が古くても、
古いから売れないだろう
と自分だけで決める必要はありません。
建物だけでなく、
- 土地
- 立地
- 接道
- 権利関係
- 地域の需要
などによっても売却条件は変わります。
山口県にある相続した実家を売却する方向なら、
「山口県で相続した実家・空き家を売るには?売却前の確認事項と手順」
で、売却前に確認する順番を詳しく説明しています。
仲介・買取などを比較する
売却方法には、一般の買主を探す「仲介」や、不動産会社などが買主になる「買取」などがあります。
どちらが向いているかは、
- 価格
- 売却までの期間
- 建物の状態
- 家財の扱い
- 引き渡し条件
などによって変わります。
先に全部片付けるのではなく、それぞれの売却条件を聞いてから必要な作業を決める方法があります。
古い実家はリフォームや解体を先に決めない
実家じまいを始めると、
古いからリフォームしないと売れない
ボロボロだから解体した方がいい
と考えることがあります。
しかし、どちらも費用のかかる判断です。
築古でも、まず現状での売却可能性を確認する
築40年、50年以上だからといって、築年数だけで売れないとは判断できません。
買主が建物を利用するケースもあれば、土地を中心に購入を検討するケースもあります。
詳しくは、
「古い実家・築古空き家でも売れる?売れにくい理由と売却方法」
で整理しています。
リフォームも査定前に決めなくていい
買主自身がリフォームしたい場合もあります。
売却価格がどの程度変わるか分からない状態で大きなリフォーム費用をかけるのではなく、まず現在の状態での売却条件を確認しましょう。
解体も現状売却と比較してから
建物を解体すると元には戻せません。
また、解体費用や固定資産税、自治体の補助制度なども関係します。
まだ売却可能性を確認していないのであれば、
建物付きで売った場合
vs
解体して売った場合
を比較してから判断します。
実家じまいの片付け方法を決める
必要な片付け範囲が見えてきたら、誰が作業するかを決めます。
| 方法 | 向いているケース | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 自分・家族 | 荷物が少なく現地へ行ける | 分別・搬出 |
| 自治体のごみ制度 | 自分で整理・搬出できる | 粗大ごみ・持込方法 |
| 回収業者等 | 大量・大型の家財がある | 許可・処分方法・見積もり |
| 遺品整理サービス | 仕分けから任せたい | 作業内容・廃棄物処理方法 |
| 売却先と相談 | 売却を先に進めたい | 残置できる物・撤去条件 |
家庭から出る廃棄物の回収を依頼する場合は、実家所在地の自治体が案内する処分方法や許可業者を確認してください。
費用だけで決めず、
自分で何回実家へ行く必要があるか
まで含めて比較すると判断しやすくなります。
遠方の実家じまいは「実家へ行く回数」を減らす
実家が遠方にある場合は、1回の帰省で何をするか事前に決めておくと負担を減らせます。
最初の訪問では重要な物を確認する
1回目から家を空にしようとせず、
- 重要書類
- 貴重品
- 鍵
- 建物の状態
- 家財量
- 外観・庭
などを確認します。
スマートフォンで各部屋や家財の写真を撮っておくと、その後の家族との相談や業者への説明にも使えます。
売却相談と片付けを並行して進める
売る方向が決まっているなら、
全部片付け終わるまで不動産会社には相談しない
とする必要はありません。
現在の状態を伝え、必要な片付け範囲を確認しておけば、次に実家へ行ったときにやることを絞れます。
家族で担当を分ける
例えば、
Aさん:不動産会社との連絡
Bさん:家財整理
Cさん:自治体制度を確認
のように分けることもできます。
全員がすべての作業をするより、役割を決めた方が進みやすい場合があります。
山口県で実家じまいをするなら公的な相談先も確認できる
山口県では、市町ごとに空き家相談窓口が設けられています。
県公式サイトでは、下関市・宇部市・山口市・萩市・防府市・岩国市・周南市など、県内市町の空き家相談窓口を一覧で確認できます。
また、2026年度の市町別ページでは、空き家の相談窓口だけでなく、市町ごとの助成制度等もまとめられています。
何について困っているかで相談先を分ける
| 悩み | 主な相談先 |
|---|---|
| 空き家を売りたい | 不動産会社等 |
| 相続登記が分からない | 法務局・司法書士等 |
| 税金を確認したい | 税務署・税理士等 |
| 空き家の管理・活用 | 物件所在地の自治体 |
| 市町の補助制度 | 物件所在地の自治体 |
「実家じまいについて全部相談したい」と一つの窓口を探すより、今どこで困っているかを整理して相談先を選ぶ方が進みやすくなります。
山口県では空き家の無料相談会も開催されている
山口県では2026年度、県内各市で空き家対策セミナーや専門家による無料相談会が開催されています。
山口県公式ページでは開催場所・日時・担当窓口が一覧で公開されており、今後の開催予定も掲載されています。参加方法などの詳細は各市の担当窓口への確認が必要です。
開催予定は変更される可能性があるため、利用する場合は山口県公式ページで最新日程を確認してください。
実家じまいで避けたい5つの進め方
1.家族に確認せず家財を大量に処分する
思い出の品だけでなく、重要書類や価値のある物が残っている可能性があります。
まず残す物を確保し、判断できない物は家族に確認してから処分します。
2.売れるか確認する前に解体する
「古い=解体」ではありません。
先に現在の売却可能性を確認し、解体後の条件と比較してください。
3.査定前に大規模リフォームする
工事費を売却価格で回収できるとは限りません。
まず現在の状態で売った場合の条件を確認します。
4.自治体制度を確認する前に契約する
空き家の片付け・改修・解体などには、市町によって助成制度が用意されている場合があります。
一方で、制度によっては契約・着工前の申請が必要です。
山口県は2026年度の市町別相談窓口・助成制度をまとめていますので、費用のかかる作業を契約する前に物件所在地の制度を確認してください。
5.「いつかやる」で期限を決めない
実家じまいを1日で終える必要はありません。
しかし、
そのうちやる
だけでは進まないことがあります。
「次の帰省までに重要書類を確認する」「○月までに売る・残すを決める」など、次の1つだけ期限を決めると進めやすくなります。
実家じまいはこの順番で進める
最後に全体の流れを整理します。
STEP1 所有者・相続関係を確認する
名義、相続人、相続登記などを確認。
↓
STEP2 実家を今後どうするか決める
売る・貸す・残すなどを比較。
↓
STEP3 重要な物を確保する
書類、鍵、貴重品、家族が残したい物を確認。
↓
STEP4 売却・管理などの条件を確認する
売る場合は、家財を全部処分する前に売却可能性を確認。
↓
STEP5 必要な範囲を片付ける
自分で行うか、自治体制度や業者等を利用するか判断。
↓
STEP6 売却・解体などを進める
先に確認した条件を基に実行。
↓
STEP7 残った手続き・税金等を確認する
売却後の税務手続きなど、状況に応じて必要事項を確認。
実家じまいでよくある質問
実家じまいは何から始めればいい?
まず家財処分ではなく、所有者・相続関係と、今後その家を誰かが使う予定があるかを確認してください。
その後、売る・貸す・残すなどの方向性を整理すると、必要な片付け範囲が分かりやすくなります。
実家を売るなら先に全部片付ける?
必ずしも売却相談前にすべて片付ける必要はありません。
荷物が残っていることを伝えて、現在の状態で相談し、引き渡しまでに必要な片付け範囲を確認する方法があります。
遠方の実家は何度も帰らないと片付けられない?
荷物の量や家の状態によって異なります。
ただし、最初の訪問で家財量や建物の写真を撮り、売却相談や業者への見積もりをその後に進めれば、現地へ行く回数を減らせる場合があります。
古い実家は先に解体した方がいい?
築年数だけでは判断できません。
現在の状態で売った場合と、解体した場合の条件・費用を比較してから決める方がよいでしょう。
相続登記が済むまで片付けてはいけない?
家の中を整理することと不動産の相続登記は別の問題ですが、相続人が複数いる場合には、相続財産に含まれる物を誰か一人の判断で処分することは避け、関係者間で確認しながら進めた方が安全です。
相続登記については、不動産を相続で取得したことを知った日から原則3年以内の申請が義務化されています。
まとめ|実家じまいは「片付ける前に方向性を決める」と進めやすい
実家じまいで何から始めるか迷ったら、次の順番で考えてください。
| 今の状態 | 次にすること |
|---|---|
| 何も決まっていない | 所有者・相続関係を確認 |
| 家をどうするか迷っている | 売る・貸す・残すを比較 |
| 売る方向 | 現在の売却可能性を確認 |
| 荷物が大量にある | 必要な片付け範囲を確認 |
| 古い実家 | 築古のまま売る方法も確認 |
| 解体を検討している | 現状売却と解体後を比較 |
| 山口県内の実家 | 市町の相談窓口・助成制度も確認 |
最初から、
全部片付ける
→ リフォームする
→ 解体する
と決める必要はありません。
まず、
誰が相続・所有しているか
→ 今後実家をどうするか
→ 何を残すか
→ どこまで片付ける必要があるか
を順番に整理します。
その結果、売却する方向になった場合は、
「山口県で相続した実家・空き家を売るには?売却前の確認事項と手順」
で次の具体的な手順を確認してください。
参考・確認した公式情報
- 法務省|相続登記の申請義務化について
相続登記の義務化、申請期限、過料等を確認。 - 法務省|相続登記の申請義務化に関する概要資料
2026年4月時点の相続登記義務化資料を確認。 - 山口県|空き家相談窓口のご案内
山口県内の市町別相談窓口を確認。 - 山口県|市町の空き家対策関連情報について
2026年度の市町別相談窓口・助成制度等を確認。 - 山口県|空き家対策セミナー・無料相談会の開催について
2026年度の県内各市でのセミナー・無料相談会を確認。
情報確認日:2026年8月28日
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